ふとした一言に、救われたことはありませんか。
反対に、何年経っても忘れられない一言が、心のどこかに残っている。そんなこともあるかもしれません。
ことばって、不思議です。形もないし、手で触れることもできない。それなのに、人を元気にしたり、傷つけたり、もう一度前を向くきっかけになったりします。
私はこれまで、子どもや保護者の方、誰かを支える立場の方など、いろいろな人と出会ってきました。そのなかで何度も感じてきたことがあります。
同じ出来事でも、どんなことばで受け取るか。自分に、どんなことばをかけるか。それだけで、見える景色が少し変わることがあるんです。
だから私は、「ことば」というものを、もう少し日常の中で見つめてみたいと思うようになりました。
むずかしい話ではなく、暮らしの中のことばを
この「ことばのクスリ」では、漢字の成り立ちや、日々のなにげない一言を入口にしながら、少しずつ書いていこうと思っています。
いのちのこと。
親子のこと。
人を支えるということ。
手放すということ。
こころを整えるということ。
どれも、本当は重たくて、大きなテーマです。でも、むずかしい顔をして語るつもりはありません。
何かの正解をお伝えしたいわけでも、「こうしなければいけません」と言いたいわけでもないんです。
ただ、
「へえ、そんな見方もあるのか」
「私だったら、どう感じるだろう」
「今日は少しだけ、違うことばを使ってみようかな」
そんなふうに、ふっと立ち止まって考える。その小さなきっかけになれたらいいな、と思っています。
「クスリ」と書いた理由
「薬」ではなく、あえて「クスリ」と書きました。
何かを治すための処方箋ではないからです。飲めば効く、というものでもありません。
必要なときに、そっと思い出してもらえる。そのくらいの距離感でいいなと思っています。
落ち込んだ日に。
誰かとの関係に悩んだ日に。
自分のことが、少し嫌になった日に。
ことばをひとつ、見つめ直してみる。それだけで、心にほんの少し余白が生まれることがあります。
劇的に何かが変わらなくても、いいんです。ほんの少し、肩の力が抜ける。「まあ、いっか」と思える。そういうことばを、この場所に、ひとつずつ置いていけたらと思っています。
ことばのチカラを、日常に。
あなたの今日に、ひとつの「ことばのクスリ」が、そっと届きますように。
